【雑記ノート】(おまけコーナーを作成中!)

2011年12月5日月曜日

詩集『大地に芽生えた記憶』著:葵夏葉

【冷たい足】

 ツライとき

 ぼくは別のどこかを向いて

 足を組む

 すると

 安静と冷静さを取り戻す

 だけど

 気付くと足は冷たくて

 血液が流れなくなった足は

 もう、歩けなかった


【旅立ち】

 鉄道のレールに

 寄り添うように佇むタンポポ

 根は強く

 葉は優しい

 旅立ちの準備が整う頃

 行ってきなさいと

 花は言う

 そうして揺られて風に乗り

 煙の中遠ざかると

 ぼやける葉はわずかに光って

 横に揺れていた


【雪】

 綺麗だよね

 雪

 舞い降りる雪はふわふわ

 舞い降りた雪はべたべた

 踏まれず

 踏まれて

 綺麗に

 不潔に

 憧れて手をかざす

 手で包み込むと溶ける

 綺麗だよね

 雪


【頑張ること】

 努力することは偉いこと

 頑張ることは素晴らしいこと

 でも

 つらい汗と涙を流して

 嫌々やるのは偉いことかな

 頑張れと言われて頑張るのは

 本当に素晴らしいことなのかな

 僕は

 褒められる自分が好きです

 褒められない自分が嫌いです

 いつまで頑張ればいいのかな

 僕はいつでも僕に嘘をつく


【風】

 昨日の風

 感情ぶつけて喧嘩したね

 今日の風

 悲しくなって泣いたよ

 明日の風

 また一緒に手を繋ごう

 ああ、感じるのは

 いつでもそこにあるから

 ああ、忘れるのは

 いつでもそこにあるから

 あなたの風はどこから吹いてますか

 見えるけれど見えないもの

 見えないけれど見えるもの

 僕の風はいつでも隣にいる

 私の風はいつでも隣にいる


【夢】

 が降る

 もし、夢は叶わないから夢なんだ

 そう言う人がいるのなら

 雨が止む

 それは夢が終わらないこと

 尽きないことを証明している

 虹が浮かぶ

 夢はどこまでも消えないから

 どこまでも尽きないから夢なんだ

 水たまりを蹴る

 夢を諦める人は悪くない

 けれど

 夢を探さない人は格好悪い


【今と過去】

 今の自分がいるのは

 過去の自分がいたから

 今の自分が笑えるのは

 過去の自分が泣いていたから

 今の自分が他の人と違うのは

 過去の自分が一生懸命になったから

 今はつらいかもしれない

 けれど、不確かな未来に

 分からないけれど、創造したい未来に

 あなたの大切なあなたへ

 さあ、もう少し頑張ってみよう


【海】

 幾年もの間

 波は足跡をならした

 時には大きい足跡を

 時には小さい足跡を

 もしかして、この足跡は

 何十年も、何百年も、何千年も

 何万年も何億年だって昔の足跡かもしれない

 今の僕の様に涙を浮かべながら水平線に落ちて行く

 あの夕日を眺めていたのかもしれない

 何故そんなに肩を張っていたのだろう

 焦らなくてもいいじゃないか

 我慢しなくていいじゃないか

 ゆらゆらと棚引く夕日の欠片は

 もう随分昔から輝いているのだから


【いのちの名前(千と千尋の神隠しに寄せて)】

 お母さんが言っていた。

 今日は昨日の続きだと。

 昨日の私は今日の私を、

 運んでくれる。

 昨日の私が望んだ思いは、

 どんなモノだったのか。

 お父さんが言っていた。

 日々の糧や人生の喜びを

 感じることが出来るのは、

 神様のおかげだと。

 でも、

 私にはわからない。

 会ったこともないし、

 話したこともない。

 でも、信じることで

 人は大きく変わるのだと、

 愛したあの人は言っていた。

 もし、私があなたの存在を、

 無限だと、永遠だと、

 そう、言えたのなら、

 私は信じてみよう。

 でも、どうしても

 あなたが消えて、

 声さえも聴くことが出来ないことを、

 近くにいればいるほど、

 想ってしまう。

 泣きたくなるほどに。

 あなたを愛すれば愛するほど。

 …………

 自分が弱い。

 昔愛した人はもういない。

 約束したのに。

 だから、どうしても

 あなたと一緒にいられない。

 でも、そんな私をあなたは、

 ずっと横で見守っていてくれる。

 私の大切なモノを

 一つ一つ覚えていって、

 そこに

 私をいつまでもとどめてくれる。

 時にそれが私を安心させ、

 時にそれが私を臆病にさせる。

 あなたがいないとつらいのに、

 あなたがいるとこわい。

 いつあなたを失ってしまうのか、

 いつあなたの声が消えてしまうのか。

 記憶の淵を探るように、

 思い出をすくい上げるように、

 私の心にいつでも触れてくる

 柔らかな痛みのような、

 喜びと悲しみが混ざった

 困惑のソナタ。

 …………

 間違いを犯したあの日。

 つらく悲しんだあの日。

 全ては時の流れに過ぎ去っていく。

 けれど、

 それは確かな温もりとして

 いつまでも私の胸の中にある。

 時に喜びとなって。

 時に悲しみとなって。

 いつまでも私を作っていく。

 きっと

 彼らは捨てられるモノではないから。

 きっと

 彼らは忘れられるモノではないから。

 大切に見守っていて欲しい。

 大切に私も包み込むから。

 だから、いつまでも

 私が一歩踏み出せる、

 魔法の歌となっていて。

 ……………

 傷つきやすいのは、

 あなたの心が綺麗だから。

 立ち止まるのは、

 あなたの心が純粋だから。

 もし、いつの日か、

 あなたとわたしが、

 離れるのなら、

 それまでそばにいよう。

 そばにいて、あなたを守り抜く。

 けれど、

 愛したあなたをわたしは、

 いつまでも永遠だと信じている。

 頼りないのなら、

 もっと強くなろう。

 寂しいのなら、

 もっと抱きしめよう。

 あなたがわたしを、

 愛することも、

 永遠なのだから。

 …………

 あなたの言葉で、

 私はもう少しだけ、

 世の中の全てを、

 信じたくなりました。

 ありがとう。

 そして、いつまでも

 あなたのとなりにいたい。

 ありがとう。

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